あれこれ都筑リレートーク VOL.3

都筑の文化活動生みの親 越智さんのお話

山田

リレートーク3回目にしてやっと我らが産みの親、越智武雄氏の登場でーす。
今回は、このリレートークの1回目でO氏として紹介してあるように、都筑区の活発な文化活動誕生の仕掛け人としてお話していただきましょう。

佐波

越智さんは、都筑クラブ発足の母体の母体となった「まちの教室」誕生時は、旧住宅・都市整備公団でニュータウン開発を担当されていたのですね。

山田

当時、ユニークな情報紙「フラミンゴ」も育ててくださったのですよ。
出会いはリレートークのVOL.1を読んでいただくとして、早速登場していただきましょう。

都筑まちづくりエッセイ

越智 武雄 (元住宅・都市整備公団)

 出会った方たちに恵まれて、まちづくりの仕事をなんとか続けています。昨年、一昨年と2年間関わった茨城県つくば市のニュータウンでは、地元の地権者の方たちと新しく開通する鉄道 (つくばエクスプレス) の新駅を中心とした商業エリアをどうしていくか、時には机を叩きながらも互いの思いをぶつけ合って一緒に考えていくという仕事をしました。今はそこを離れてしまったのですが、先日久々に地権者協議会の会長さんが懐かしくて、酒を飲みましょうと電話をしたら快く迎えてくださったことに嬉しい気持ちになりました。

  今は国際協力関係の仕事をしていますが、まわりを見回すと、参加型村落開発計画、参加型マングローブ総合管理計画、参加型給水事業、参加型小学校建設プロジェクト、参加型廃棄物管理・・・と、「参加型」のオンパレード。そんな仕事においても、いつも立ち返るのは、20年前の港北ニュータウンでの出会いです。

 あれこれ都筑リレートークVol.1で、丁寧に自分たちの歩みを残そうとされている姿勢に頭が下がりました。その中で、今の都筑クラブにもつながっているという精神として、「まちの中で輝く」「“面白さ”をキーワードにまちをネットワークする」「“遊び半分で”運営する」「一生懸命な人歓迎します」「一生懸命でない人大歓迎します」という申し合わせ?に改めて触れて、あぁそうだったなー、と。「まちの中で輝く」という言葉自体は最近あまり意識していなかったのですが、結局そうなんだよなぁ、と25年間まちづくりの仕事をしてきて、結局そこは変わっていないということに改めて気づかされました。それらのキーワードに込めた思いを少し振り返ってみたいと思います。

 「まちの中で輝く」というのは、まちの中にもう一度帰っていくことで自分の人生を豊かにすることができるのではないかということです。もっとも、1983年に港北ニュータウンに新しい人たちが移り住んできたときは丁度不動産不況で、初期分譲のかしの木台、しいの木台、みずきが丘、けやきが丘には大量の売れ残りが発生し、何もないホコリっぽい、できたばかりのまちだったので、まちの中に帰っていくというよりも、とにかくなんとかしなくてはという状況だったかもしれないのですが。しかし、何もなかったからこそ自分の住むまちを「人生の舞台」としてとらえなおすということをしやすかったのかもしれません。今は、団塊世代が大量にリタイアするときを迎えて、改めてそのことを真剣に考えなくてはいけない時代となっているわけですが。

  そして、自ら輝いているときというのは、自分の魅力や才能が十分に発揮できているときなのだけれど、そのときに感じている心の軽さ、自分を解き放っているという開放感が大切な気がします。そこが原点。都筑クラブの方々始め、港北ニュータウンのまちにはまってしまっている人たちは皆、その感覚を知っているからなのではないでしょうか。それは、ムラ社会ではないけれどある程度自分や家族の人生を開け広げてしまっている都市型の地域社会でこそ実現できるものなのではないかと思います。

 けれどももっと重要なことは、輝いている隣人を発見すること。さらに隣人を輝かせることです。そのとき、隣人に向けている自分の暖かいまなざしに自分で気づくことが、自分の人生を豊かにすることになるのではないかと思うのです。そこでは、意見の対立はもちろん発生するけれどその人そのものを否定しない。その人の人生をよしとするところからではないと長い付き合いはできないですからね。地域の中ではそのことが一番重要なルールのような気がします。地域の中でのそういった振舞い方を言ったのが「遊び半分」であり、「一生懸命でない人大歓迎」ということなのです。

 皆さんは、どんなときに嬉しくなりますか?自分が変わっていくことを発見したとき、自分が成長したことを確認できたとき、そして、それらがまちの中で、まわりの人たちに支えられることで実現できたことに気づいたとき、そんなときに嬉しくなりませんか? と同時に、仲間が変わっていく様、成長していく様を見ることができること、そこに自分との関係があること。そのことを幸せだと感じるのではないでしょうか。

 と、しばらくこのようなことを考えていなかったのですが、たまには「原点」に立ち返って思いを馳せることも大切なのかもしれませんね。

山田

越智さん素敵な原稿ありがとうございました。

佐波

市民活動続けてゆくための参考にしていただけるといいね。

山田

先日、区内の主たる活動グループの情報交流の場として「文化交流サロンー For Our Tsuzuki -』が誕生しましたね。
公募で生まれた都筑区民の歌「夢のつづき」作詞作曲者、広井顕真さんといっしょに歌う「うたごえサロン」の中で、区民在住、在勤、都筑大好き人などの交流会です。

佐波

大盛況でしたね。

山田

私が代表ですが、事務局長を引き受けてくださったセンター南商業地区振興会の金子事務局長の強力なるバックアップのお陰ですね。

佐波

目的は、「ぬくもりのある文化都市を創ろう」でしたね。

山田

都筑イベントクラブから生まれたグループの長もアドバイザーとして顧問を引き受けてくださり、感謝感謝ですね。
越智さんが蒔いた文化の種をみんなで大きく育ててゆけそうですね。

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